「西遊記」

たまに前を通るあるお家の庭に、去年の夏頃、突如、等身大の孫悟空香取慎吾)像が現れました。
彩色や小物なんかも丁寧に再現した手作り感溢れる像で、夏休みの自由工作で家族ぐるみで張り切った結果なのかなあと思うと同時に、こういうのって本当に真っ直ぐ受け止めて楽しんでる人がやっぱり居るんだと感心していたんですが、その後、映画が公開され、映画が滑り、27時間テレビで特集が組まれ、27時間テレビが滑り、フジテレビが一生懸命広げていた風呂敷が物凄い勢いでタンスの奥に放り込まれ、それでもなお変わることなく立ち続けていた彼が、先日庭から撤去されているのを見て、やっと香取悟空の息の根が完全に止まったのを見届けたような気持ちになりました。
そして今こそ「なまか」の使い時が来たと思っていたら、まさかこのタイミングで映画版「西遊記」の地上波放送が入るとは。
ドラマでの不完全燃焼をそのまま片付けとけばよかったのに、皆が忘れかけてたところで映画っていう灯油をぶっかけて、27時間テレビっていうキャンプファイヤー開催して(スタッフだけがやたらと声が大きくテンションが高く、参加者は照れ笑いや苦笑いを浮かべながらぎこちなく歌い踊るイメージ)、あれだけの金と手間と時間をかければ大抵のことは力技で押し切れるはずだったのに、それでも世間を騙しきれなかった「なまか」は、ある意味本当にすごいと思います。
香取にとってもフジテレビにとっても黒歴史扱いかと思いきや、「なんかこの風呂敷まだ使える気がするからもう1回だけ広げてみよう」っていう感じなんでしょうか。見ません。