「しゃばけ」

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)
江戸の大店の若だんな一太郎は17歳。一粒種で両親から溺愛されているが身体が弱くすぐ寝込んでしまう。そんな一太郎を守るべく、手代に身を替えた犬神・白沢、屏風のぞきや小鬼が身の周りに控えている。ある夜、ひとり歩きをした一太郎は人殺しを目撃してしまう。あやかしたちの力を借りて下手人探しに乗り出すものの…。心優しい若だんなと妖怪たちが繰り広げる愉快で不思議な人情推理帖!

設定や世界観が大変楽しかったです。妖怪のいる生活…!若旦那の膝で頭撫でられてる鳴家(やなり)…!読みやすいし人間のドロドロした所もあんまり無いので軽く読めます。これでもかっていうくらい甘やかされまくりの若旦那ですけど、驕った所も卑屈な所も無くて、大人しいようでいてわりとしたたかなのがよろしいです。
推理(というか事件)の方は、ほとんど「妖怪達を動かすための装置」程度に考えといた方がいいかもしれません。なんか途中やたら間延びしたような感じや詰めが甘いように感じる部分もあるし。出てくる妖怪の力っていうのが、人間+α程度の力くらいしか無さそうな感じで、それはそれでいいんですけど、事件に関してやっている事も普通の人間と同じような事だったので、それぞれの妖怪の特徴みたいなのを活かした動きとかがあったらもっとワクワクしたのになーという印象。
あと「えー?」だったのは、犬神と白沢の能力がどの程度なのかわからなかった事です。さぞかしすごいのかと思いきや、人に殴られて普通に倒れててびっくりした。この2人の個性みたいなものも続きではもっと出てくるのかなあ。この人らは若旦那以外の人間の事なんざ屁とも思ってないあたりがすがすがしいですね。
色々書きましたが、「妖怪のいる生活」を楽しむには良い本だと思います。さっき本屋に行って続編の「ぬしさまへ」買ってきました!