「カンナさん大成功です!」

カンナさん大成功です!(1) (KC KISS)

気持ちの悪い自分語りをしますと、私は10代の頃「女の子」になり損なってしまった為に、今20代になってからもうまく「女」になれていないところがあって。というか、それが私のメンタリティの8割くらいを構成してそうなんですけど、その「女の子」としての期間をきちんと過ごせなかった事の理由で一番大きかったのが容姿へのコンプレックスだったんですよ。
で、この「カンナさん」はそういう容姿へのコンプレックスを抱えたカンナさん(たしかあだ名はカバゴジラ)が全身整形をして超美人になって、「今までバカにした奴らを見返してやる!」っていう所から始まるんですけど、超美人になったもののカンナさんには数十年抱えてきた「ブスとしての性質」が染みついていて、道で男とすれ違って振り向かれたら「私がどこかおかしかったから!?」と道ばたにしゃがみ込んで震えたり、コジャレた店でないがしろにされているブスを見つけて店員にキレちゃったり、男(彼氏)に対してどの程度まで自分を出していいのかの加減がわからなくて空回ったりで、そのズレっぷりを笑うべきなんでしょうけど私に言わせてみたらこれ涙と鼻水垂らしながらしか読めないぜ…?っていう。今はある程度落ち着いて見られますけど、思春期ど真ん中の時とか号泣でしたよ!キモいね!
鈴木由美子は「白鳥麗子でございます」といい、勘違いした女を描くのが上手いなあと思ってたんですけど、これ読んだ時は「ななななんでこんなにブスの気持ちがわかるのー!?」ってびっくらこきました。私と似たようなメンタリティをお持ちの方には是非読んでもらいたいなあと思います。ブックオフとか行けば多分1冊100円で全部そろいます。おもしろいのに!売るなよみんな!一緒に鼻水流そうよ!
これが「面白かった!」と思う人にお勧め出来るんじゃないかと思うのは、「いけいけ!バカ女」です。