遥かなる時空の中で

乙女ゲームをやってみたい」と言う友達(♀)に、「遥かなる時空の中で」を貸しました。
乙女ゲームというのは、わかりやすく言うと「ときめきメモリアル」の男女逆転版というか、色んなタイプの男がひしめく中、主人公の女(プレイヤー)が好みの男を落とすべくあれこれ策を講じたり好感度を高める選択肢はどれか画面の前で眉間に皺を寄せたり男を振り回したり振り回してるつもりがいつの間にか振り回されている自分に気付いて動揺すると同時に自己嫌悪に陥ったり「ああ、でも萌える…!」とニタニタしたりするゲームです。
ゲームに登場する男は大抵、現実にいたら「ありえねえよな」「言動がクサい」「絶対に仲良くならないだろうな」というタイプばかりで、「愛してる」だの「ずっと傍にいたい」だの「俺についてこい」だの、背筋をゾクゾクさせずにはいられないような台詞をベラベラと吐くのですが、プレイしていくうちに何故かそれを「キモい」と思えず、コントローラーを握り締めながら「うん!」と言いたくなるような魔力があります。変な脳液がドバドバ出ます。ミラクルミラクル。メイドインミラクル。
思うに、女の「乙女心」を刺激するんですよこの手のゲームは。心のすんげえ奥底にある、「こういう事してみたいけどでもこっぱずかしいし寒いし現実ではありえないよな」という部分をコチョコチョっとやりやがるんですよ。なんというか、「あくまでゲームであって、これは私ではない」みたいな心理保護フィルターのかかった状態のもと、自らの乙女心を全開に出来るようなシステムになっているんですよ。少女漫画にも似たような作用があると思うんですが。
で、多分この「乙女心」を持っている人ほどハマり易く、普段すごい現実的な性格の人でも奥底に持ってる可能性があったりするから注意が必要。
ほんでこんだけ長々と語ってる私はというと、まあ、どっぷり溺れてるわけでね。あっぷあっぷなわけでね。「こんな自分キモい」と思う意識だけは残ってるのがまたタチ悪くてね。うん。
友達(♀)の反応は予測不可なのですが、もし「ハマった!」報告が来たら、「こちらの世界へようこそ」。「これは無理…」報告が来たら、「こちらの世界に来なくて済んだね」。どちらの意味でも「おめでとう」と返そうと思っています。