藤原伊織「ダックスフントのワープ」

この本、最初「ダックフスンドのスープ」だと勘違いしてて、てっきりグロい話だと思っていました。
長編じゃなく短編集だったんですが、どの話も哲学臭いなあと。「ユーレイ」がわりと好きです。
表題作の「ダックスフントのワープ」は、主人公が自閉症の女の子(家庭教師をしてる)に語って聞かせる創作物語です。
そのなかで、人と人との関係をシーソーに例えていたのが興味深かったです。釣り合って座っていても、相手か自分のどちらかが少しでも前か後ろに動いてしまったら、もう一方もそれにあわせて動かない限りバランスが崩れてしまうという。
主人公はシーソーの外に居たいというスタンスのようですが、私はバランスを取ろうとするあまりに相手の動きを伺いすぎてアワアワってなってバランスを崩したりシーソーから落ちてしまうタイプだろうなあ。