「20世紀少年」というか浦沢直樹

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)
小学生の時、友達みんなで秘密基地に集まって書いた「よげんの書」。そんなこともすっかり忘れてそれぞれが大人になった頃、その「よげんの書」の通りに異変が起こり出す。どうなる世界!頑張れ仲間達!みたいな感じのお話です。
1970代前後の主人公達の小学生時代と、1990年後半からの現在の様子が交互に描かれていく見せ方や、次々に事件が起こって謎の先にまた謎が現れるような展開にムッハー!となりながら読んでたんですけど、10巻あたりでふと「これまでの話、すごく面白いけど、多分3行くらいで説明出来るよな…」と思ったところで、ああこれ「LOST」(id:furamubon:20080425:1209118962)と同じ仕組みだな!と気づきました。乗ってる側としては、「うわこれすごいスピードで走ってんなー」なんだけど、いざそこから降りてみたら、天気の良い日にうちの近所をよく散歩してる一歩が15cm幅くらいのお爺ちゃん並の速度だったっていう。
21世紀少年 上―本格科学冒険漫画 “ともだち”の死 (ビッグコミックス)
それでもまあ乗ってる分には楽しいんでいいんですけど、16巻あたりからまるで狸の玉袋のように広がっていく風呂敷を「あ…ああ…」と思いながら眺めて、それでもまあなんとか四隅は見えてるしと頑張って追いかけてたら、最後グシャグシャー!って丸めてオモチャ箱の奥に隠しちゃった、みたいな。そんな。
でも、それでもやっぱり読ませちゃうのが浦沢直樹っていうことなんだろうなあと思います。この人がこういう人なんだって事は、あの時(「MONSTER」で)分かってたはずじゃない!ってなりながらも、なんかまた同棲しちゃうみたいな。
それにしても、浦沢作品ていうのは連載を追うものじゃなくて完結してから一気読みするべきものだな、とつくづく思います。単行本はまだしも、続きが気になるからって雑誌を追っちゃうようなのは、喉渇いたからって海水飲むのと同じ行為です。一瞬はそれでいいけど、次の瞬間!更なる!乾きが!お前を!という訳で、早く終わらねえかな「PLUTO