笑いも映画もわかりませんが

大日本人」を見て来ました。
見る前の印象としては、「頭頭(トウズ)」とか「ビジュアルバム」的な笑いというか、乱暴に言うと「わかってる(自称含む)」人向けなんだろうと思っていて、どちらを見た時も「何これ…」としか思えなかった私(当時15〜18くらいだったので今見たらまた印象が違うかもしれませんが)には確実に向いてないだろうと、まあレンタルで見るか見ないかくらいのつもりでいたのですが、流行モノに弱い両親に「大日本人見に行くけどどうする?行く?」と声をかけられ、迷った末に行く事にしました。
正直、両親が期待してるような「面白さ」は無いに違い無いと思っていたので、ガッカリするんじゃないかなあ…と少しヒヤヒヤしながら席につきまして、そしたら後ろの席の男の子が「確実におもろいやろ」「松本っていう時点でなあ…絶対おもろい」とか言ってるのが聞こえてきてヒー!
ヒー!ってなりつつも、この「俺は松本を理解してるぜ」を口にする人がどんな反応するのかは超興味があるな、映画がキツくてもこっちはこっちで面白いかもしれない!と気持ちを切り替える事に成功。開始直後、松本が出てきた瞬間に後ろの席の男の子が「ブハッ」って噴いたのが聞こえてきてどんだけー!?
どんだけー!?と思いながらの鑑賞でしたが、気がついたらヲチ目線は完全に消えていて、びっくりするほどストレートに笑えました。狙った上での事とは言え、ダラダラしてるところは本当にダラダラしていて、それは私には合わなかったんですけど(母に至ってはこの間、隣で寝ていました)、「笑い」として用意された大きな部分は勿論、その他の細かいところでもニヤニヤさせられました。館内の雰囲気もほぼ同じで、両親(40〜50代)も笑ってました。
私は今の時点ではストーリーや各所の「意味」を理解しようともしていないので、この作品が「映画」としてどうなのかはわかりませんが、「笑い」としてなら十分満足です。大佐藤の背負う「悲しさ」と「笑い」のバランスも、ごっつであった「とかげのオッサン」ほどキツく無く、ちょうど良かった。
帰って来てネット上での感想を見ていたら、「どこまで読むんだ」みたいな陰謀論レベルの深読みとか、「笑いを分かってるぜ」派と「映画を分かってるぜ」派のうねり合いとかもあったんですけど、「ああ、これはそういう意味か」「あそことあそこが関連してんのか」って、普通に「あ〜」と思える意見もいくつかあって、多分もう1度見に行く事は無いだろうけど、DVDは買ってもいいかなあという心境です。
ちなみに、映画中何度か「あーおかしい(笑」と呟いていた母の、見終わった後の感想は「ようわからへんわ」でした。

今思いつくちょっとした疑問とかその他(ネタバレがあるかもしれないので畳みます)

  • 大佐藤の大ぶりが予想と違っててびっくりした。
  • あの家に何でダイソンの掃除機(多分)があったんだろう。縁側には普通の古い掃除機もあるのに。他にも掃除機集めてるのかと思ったらそうでも無いし。あれだけが突き抜けて高価そうで、何か意味がありそうな気がしたんだけどなー。
  • 髪の毛を切ったら大の方も変わるかと思ったらそうでもなかったですよね。
  • 猫の巨大化の理由の謎とあと結局大きくするだけしてほったらかしか。単なるボケだったのかな。
  • 「実写」=それまでの映像はあくまで大佐藤にフィルターをかけたもの(大佐藤自身による?)だったって事でいいんですよね。例えば赤いのは大佐藤から見たらああ写ってたけど実際は着ぐるみレベルだったっていう。
  • ヒーローの格闘シーン(というか)は引きそうになったけど、ラストでちょっと納得。
  • 普段着ないような服を着てる松ちゃんにちょっとキュンとくる。変な柄シャツとか。

追記【6/11】 現時点での解釈とか思い出した事とか

  • ラストの「実写」=現実だけど、フィルターがかかってたのは戦闘シーンに限ってだけの話で、それまでのドキュメンタリ部分は現実そのままっていう解釈をしてます。
  • ドキュメンタリ部分は(劇中の)カメラを通して撮られたものっていう設定になってるし。戦闘シーンは違いますよね。「(劇中の)テレビで放映されてる映像」っていう風でもなかったし。
  • 1番身近に居るはずのマネージャーや取材スタッフの、大佐藤に対する扱いの雑さみたいなものは、「実写」の部分を見ればある程度納得できる。
  • っていうのを踏まえた上で、前半のインタビュー部分をもう一度見直したら、かなり切ない話になると思うのでそういう視点でもっかい見てみたい。ある意味壮大な前フリ。
  • 焼きに行く時、白装束で先頭きって胸張って大股で歩いている大佐藤が好きです。
  • 大佐藤の机の上に女物の化粧品みたいなのがあって、何かなあと思ってたんですけど、どっかの書き込みで「静電気防止スプレー」って書いてあって、なるほど…!
  • 最後のヒーローが降りてきたのは、アメリカ大使館(らしき建物)が壊されそうになってたから、っていう解釈はあってそうだなと思えてきた。それまで大佐藤がどんな目に合おうがほったらかしだったし。でも赤いのが北朝鮮とまでは思わない。
  • 「最後また、ドキュメンタリの映像に戻って終わって欲しかった」っていう意見があって、なるほどなーと思いました。それは見たい。