〜布団の中から〜「むかし僕が死んだ家」

むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)

布団に入ってから何となく手持ち無沙汰だったので、買って放りっぱなしになっていた東野圭吾「むかし僕が死んだ家」をちょろっと読み始めたら止められなくて2時間半。ようこそ、早朝へ。
普通ミステリの一気読みというと「おもしろ!」や流れに突き動かされてっていうのが大きな理由だと思いますが、私の場合、勿論そういう部分もあるんですけど(無かったら途中で放棄しますし)、それよりも読んでる最中に胸や胃に充満する不安感から解放されたくて必死になってるっていう方が近いです。読んでる最中の気持ちっていうのは、暗い海を息つぎ無しでひたすらゆっくり泳いでいる感覚。読むのを中断しても息つぎにはならなくて、1回ドボンと入っちゃうと(不安感を抱いちゃうと)海から出るには読み終わるしか道が無いっていう。
あんまりにも苦しいと、7割くらい読んだあたりで耐えられなくなって、先にラストやクライマックス部分をパラパラっと流し読みしてしまったりします。酷い。それによって犯人だったり話の要だったりが見えてしまう喪失感よりも、この先にあるものがある程度把握できた安心感の方が勝ります。さすが毎日「暴れん坊将軍(再)」を楽しみにしてるだけの事はありますね!だってあれオチが不動なんですもの!
で、この「むかし僕が死んだ家」も例に漏れず先走りパラパラをやらかしてしまったんですけど、中盤から何となく抱いていた不安が的中してる事がわかってしまってぎゃあー。息なんてつけないー。という事でますます不安感は募り、どういう締めになるのか(さすがにラスト数ページは絶対先読みしません)心臓ドキドキさせながら完走しました。
完走はしましたけども不安感は無くなりませんでした!むしろ増したよ馬鹿!ネタバレの線引きがよくわからないのですけど、何ていうか、足元をぐにゃりとさせるような本でした。うぎー。作中では24時間ほどしか経ってないのに、すごい重量感。
そんで不安感と恐怖感って仲良しですよネ!という事で今怖い。超怖い。部屋真っ暗で、電気つけりゃいい話ですけどそれによって色々見えたり陰が出来たりしたらそっちの方が怖いっつう話ですよ怖い。ああ、無駄に豊かな想像力が憎い。
この恐怖を押してトイレ(1階)に行けた自分はさすが24歳であるなと思いました。行くまで40分くらい悩んだけど。自分の足音とか髪の毛にまでビビったけど。最近ちょっと揉めて「向こうから連絡があるまで無視だ!」とか思ってた相手に「私が何もかも悪かったから起きてくださいませんか」って懇願電話かけそうになったけど。
未知の物への恐怖、膀胱炎の恐怖に及ばず…!
膀胱炎最強説(5歳時に経験。トイレで号泣)。