田口ランディ「コンセント」

引き篭もっていた兄の死をきっかけに、死の臭いを感じるようになった主人公。兄はどうして死んだのか?を考え続ける。ミステリーではなく、心理・宗教学的なものの比重が非常に大きい。
田口ランディ。途中までモリモリと読んだのですが、読後の感想は「そっちに行くのかよ」。面白いしわからないでもないんですが、そっち(宗教的)方面に持ってかれちゃったらもう私には解体する事(脳で理解する事)が出来ない。説明とか理解の範囲外に放り出された感じ。そして脳で理解したい私は不快。京極夏彦の「魍魎の匣」直後に読んだのも良いんだか悪いんだか。
「わかった。全てがわかった」はこれ、私が嫌いな言葉の1つだなあと思いつつ、ネット上で他の人の感想を見ていると

田口さんの文章を読んでいると、どうしたことか「見下されている」感じがします。もちろん、田口さん自身にそんな意思はないでしょうから、私の被害妄想なのでしょうが、よく何らかの宗教に入っている人が発する、「ああ、この人は神様を知らないのね。可哀想に」という<優越感>のようなものを感じてしまいます。それがどうにも居心地が良くないのです。
Esbook doyon堂
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ああそうだ、この感じ。私も自分で被害妄想だと思っているのですが、まさにこれ。私は多分、とてもそっち側に行きたいのですが、私の脳や性根はそれを受け入れないのでどうしても行けない。そして行けないから好きじゃない。反発しまくる。
人の精神構造や引き篭もりに関する描写については納得できる所が多かったです。精神や心理に興味を持つ人間は自分の中になんらかのひずみを抱えてるんだろうな、やっぱり。(自分がそうだと思うので皆そうだと決めつけています!)
あと、私は大学時代ユタの研究を専門にしている教授についてたはずなんですが記憶が全く無いのが悔しい…。もっとちゃんと勉強しときゃよかった。適当な知識で感想を言うと、あれが新しい巫女だとは思わないなあ。方法が違うだけでやってる事同じじゃないかと。その辺ほんと適当に読んで読み返すのもめんどいので適当に言います。すいませんすいません。
ラストに関して、セックスに見出したのはわからないでもない、というかとても納得。タイトルがタイトルだしな。