江国香織「ウエハースの椅子」

絵描きの主人公と、妻子あるその恋人。主人公は恋人といることに「満たされている」と感じているが、同時に「閉じ込められている」「絶望」というものが常に背中合わせにあると怯えている。
作中での「満たされて、その先には何もない。絶望だ」というような部分はわからないでもないですが、その他の主人公の考え方がわからない…。そんなにまで「満たされた」と感じた事がないからかなあ。むしろ閉じ込められたい。
ラストはあれハッピーエンドだと思いますよ。「私は信じてしまった」って言ってるあたり。閉じ込められたまま、死の訪れを待つんでしょう。