川上弘美「物語が、始まる」

公園で「雛型」の子供を拾った主人公(女)。やがてその雛型は男に育ち、三郎という名をつけられ、主人公に惹かれ…という具合のお話。
ラストで、この話のタイトルはそういう意味なのか、と思わされる文章があって、切ない。
表題作以外の話は脳がついていかず…。
ただ、「婆」の主人公とその彼氏の出会いの描写

「口説くからね」と鰺夫が言い、すぐ口説かれた。口説かれるのを待っていたので、簡単に口説かれた。

というような所が好きです。川上弘美らしいなあ。