唯川恵「病む月」

歪んだ女達を描く短編集。後味の悪さを味わいたい時に読むといいと思います。
その中の一編、「いやな女」。
主人公(女)は偶然再会した昔の女友達を「皆が自分に関心を持っていないと気がすまない。見下すか媚びるかでしか人との関係を保てない、いやな女だった」(そして自分は見下される側だった)と表現しているんですが、話が流れ、いやな女の鼻をあかしてやったと思っていた主人公が、最後の場面でその「いやな女」に逆にやりこめられて、「あんたは昔から私の事を軽蔑していたくせにものすごく羨ましくて、隠れてコソコソ盗み食いするようないやな女だったわね」と言われるというオチ。
この2人の関係、昔の自分とある女友達の関係を表しているようでアイタタタ。